5
午後、私は離婚証明書を受け取り、荷物を取りに家に戻った。
私が入ってくるのを見ると、河野霞は矢継ぎ早に私を指さして怒鳴りつけた。「あなたはまた楽子に何をさせたの?先生が楽子は今日学校に来ていないって言ってたわ。あなたはどうしてもそんなに彼女を甘やかしたいの?」
私は冷たく彼女を見つめ、もう一言も説明する気はなかった。
どうせ彼女は私を信じないのだから、口を開く無駄もない。
霞は私の無言で木のような表情を見て、どこからともなく不安が湧き上がってきたが、それを怒りで覆い隠すしかなかった。「楽子は何日も家で食事をしていないでしょう。警告しておくわ、今夜は絶対に彼女を連れ戻すのよ」
連れ戻す?
時間を計算すると、確かに楽子の骨壷なら「戻って」くるだろう。
私は口の端をゆがめて言った。「ああ、いいよ」
私の返事を聞いて、霞の表情はようやく少し和らいだ。そして義兄の部屋へと向かった。
そして出て行く前に、彼女はまるで施しのように一言残した。「もし楽子の最近の態度がよければ、休みを取って彼女を遊園地に連れて行ってあげるわ」
彼女が去った後、私は7年間住んだこの家を見回した。
荷物と楽子の遺品を持って、未練なく家を出た。
夕食の時間になってようやく、霞は私がいなくなったことに気づいた。
彼女は眉をひそめ、冷ややかに鼻を鳴らした。「あの子はますます手に負えなくなってきたわ」
彼女が人を遣わして私を探そうとしたとき、部下が二枚の紙を持って入ってきた。「河野団長、下の者が禁閉室を掃除しているときに二枚の紙を見つけました」
彼女はそれを受け取って見ると、そこには楽子の幼い字で書かれていた。
「ごめんなさい、ママ、楽子が悪かったです。楽子はものを拾っちゃいけなかったです。楽子はこれからわかりました」
「ママ、楽子は勇敢です!楽子は泣きませんでした!」
「ママ、ここは暗いです、楽子は痛いです、虫がいっぱいです……」
「ママ、楽子を助けて……」
霞は眉をひそめた。「何の虫?禁閉室の環境はそんなに悪いの?」
しかし次の瞬間、別の人が息を切らして駆け込んできた。
「団長、火葬場から骨壷が届きました。中には……中には楽子が入っているそうです!」