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6.5% 緑茶系女子は超従順、禁欲的な獣使いが押さえつけて求愛する / Chapter 11: 第10章 山本詩織の満点?!

Bölüm 11: 第10章 山本詩織の満点?!

「木村小夜の声が実験室内に響き渡った。声を抑えようとはしておらず、ほぼ実験室全員に聞こえていた。

言葉が落ちた次の瞬間、その場にいた全ての癒し師たちは思わず顔を上げて山本詩織の方を見た。彼女がどんな反応を示すのか期待していた。

山本詩織は帝国でも稀少なSランク癒し師ではあるが、廃棄星出身で視野が狭く、虚栄心が強く拝金主義で、癒し力を使ってより多くの男性を治療し自分の能力を高めることを考えず、ただ権力と財力のある男性に取り入ろうとしていた。

彼女たちは一方では彼女の行動を軽蔑しながらも、他方では彼女がSランクの癒し力を持っていることに嫉妬せずにはいられなかった。

自分たちにそんな力があればどれほど良かっただろう。

皆が口を噛みしめた。

そんな彼女たちに注目されていた詩織は、まったく反応を示さなかった。まるで小夜が罵っていたのが自分だとは知らないかのように、おとなしく自分の席に座り、目を伏せて目の前のスクリーンに素早く問題に答え始めた。

冗談じゃない、彼女たちは名指しで彼女を罵ったわけではないのだから、わざわざ喧嘩に行って言い返す必要はどこにもなかった。

もし選抜会場の秩序を乱したとして科学院から追い出されたらどうするのか?

彼女たちはどうでもいいかもしれないが、今の科学院での月給10万という仕事は自分にとって命綱だったのだ。

その後、周りの人たちが何を言おうと詩織は耳を貸さず、全神経を問題を解くことに集中した。

次々と問題を解き進め、あっという間に試験終了の時間となった。

チン!という澄んだ音が実験室内に響いた。

加藤翔の姿が実験室の入り口に現れ、笑顔を浮かべて丁寧に言った。

「皆さん、科学院癒し師プロジェクト選抜にご参加いただきありがとうございます。選抜は終了しました。結果は2時間以内に発表されますので、携帯への通知をお待ちください」

「合格しても参加したくない方がいれば、いつでも科学院にお知らせください。適切な対応をさせていただきます」

加藤は言い終えると、一歩後ろに下がり、退出する場所を空けた。

先ほどまで静かだった実験室に、突然嘆きの声が響き渡った。

「さっきの問題難しすぎた!なんで実験データ処理に関する部分まであるの?私には全然わからなかったよ」

「私もよ、解けない問題がたくさんあった」

皆は科学院の要求が高いだろうとは思っていたが、ここまで高いとは予想していなかった。

最初は意欲満々で、自分が合格する2人のうちの1人になると思っていた癒し師たちも、試験問題を終えた今となっては深いため息をつくばかりだった。

そんな時、群衆の中から小夜が詩織に向かって真っ直ぐ進み、声を抑えることなく実験室全体に響くように言った。

「詩織さん、遅刻してくる余裕があるなら、試験の成績もさぞかし良いでしょうね」

「何点取ったか、みんなで見せてもらいましょうよ」

言い終わるや否や詩織の反応を待たずに彼女を押しのけ、彼女の前にあるコンピューターの画面を開いて、成績表を見ようとした。

元々手を取り合って退出しようとしていた他の癒し師たちは互いに目を見交わし、退出の足を止め、このSランク癒し師のドラマを見ようと残った。

結局のところ詩織は金持ちを誘惑することばかり考えていて、学院の授業は一科目も合格していないのだから、科学院の今回の選抜に合格するはずがない。

また一つ笑い話が増えるだけだろう。

しかし、奇妙なことに、今詩織のコンピューターの前に立っている小夜はなかなか動かず、まるで彫刻のように固まっていた。

背後に立つ皇静流が眉をひそめ、声をかけようとした時、小夜の驚愕の声が響いた。

「ありえない」

「どうして」

「どうして満点なんて取れるの」

その言葉が落ちた。

まるで雷が全員の耳元で鳴り響いたかのようだった。

驚きと愕然とした表情が全員の顔を覆い、静流の手は一気に握りしめられ白くなった。

それもそのはず。

自分は科学院入りを確実だと思っていた彼女でさえ、今回の選抜テストではやっと96点を取ったに過ぎなかったのだ。

100点、詩織はいったいどうやってそんなことができたのか。

絶対にありえない。

そんな考えが現場に残っていた全ての癒し師の頭に浮かんだ。彼女たちは毎日男性の後を追いかけ回す、虚栄心が強く拝金主義の女性の成績が自分たちより良いなんて、どうして受け入れられるだろうか。

詩織と小夜の近くに立っていた数人の癒し師がすでに素早く彼女らの方へ歩いてきて、コンピューターの前に群がり、そこに輝く100点の数字を見た時。

全員が一斉に固まった。

「ありえない!」

誰もこの結果を受け入れられなかった。

しかし科学院の判定に間違いはないはずだ。

「どうして」

小夜はまだ衝撃の中にいて、頭の中はぐちゃぐちゃだった。

今回科学院が用意したのはたった2つの枠だけで、彼女は自分が、この選抜に参加した癒し師の中で、静流以外で合格できるだけの実力を持っているのは自分だけだと思っていた。

そして今、詩織が満点を取り、静流は皇室の後ろ盾があり、幼い頃から名家で教育を受けているので、成績が悪いはずがない。そうなると、自分が科学院に加わる可能性はどこにあるのか。

このような千載一遇のチャンスが目の前に現れて、このまま見過ごすなんて小夜には受け入れられなかった。

そして彼女は信じられなかった。詩織がこんなに短期間でこれほど大きな変化を遂げるなんて。

きっと彼女が見落としている何かがあるはずだ。

小夜は頭を急速に回転させ、陰謀論を極め尽くし、ようやく彼女が見過ごしていた点を見つけた。

詩織は皆と一緒に実験室に入って試験を始めたわけではなかった。

彼女は遅刻したのだ!

たとえほんの数分の遅刻だったとしても。

しかし確かに遅刻はしていた。

その間に、科学院の試験問題はすでに公開されていて、そしてたまたまこの選抜を担当していたのが詩織の婚約者の一人である斎藤景一だった。

婚約関係が決まってから、景一たちは詩織に対して表面的な態度を取り、彼女を全く眼中に入れず、疎遠で冷淡な態度を取り、学校では詩織が嘲笑の的になっていた。

でももしかしたら!

詩織は誰も良心に背いて悪く言えないほど美しい顔を持っていた。男性は視覚的な生き物だ。もし景一が自制できずに、こっそり彼女に便宜を図ったとしたら、すべてが説明できる。

その瞬間、小夜はまるで目から鱗が落ちるような感覚を覚え、頭が冴え渡り、詩織を恨めしげに見つめ、目に奇妙な興奮の光を浮かべた。

確信を持って言った。

「あなた、カンニングしたのね」

「詩織さん、あなたはわざと遅刻して、選抜試験の問題が出た後で、景一さんから答えをもらって、急いで駆けつけたふりをして解答したのでしょう」

「景一さんはあなたの婚約者なんだから、あなたが頼めば必ず助けてくれるはずよ」

「そうでなければ、どうして満点なんて取れるの!」

詩織「……」

景一が彼女を助ける?

あの男たちは彼女から8メートルも離れたがり、嫌悪感を隠そうともしないのに、彼女を助ける?彼らが彼女を蹴飛ばさないだけでも幸運だと思わなければならない。

小夜がどうしてこんな途方もない結論に達したのか、詩織には本当に理解できなかった。

しかし皮肉なことに、その時実験室に集まって未だ去らない癒し師たちは、彼女の言葉に説得されてしまい、皆が怒りの表情で詩織を見ていた。


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