第2章 - 親友と6年後にタイムスリップして、お互いに狂ってしまった

失恋と裏切られた痛みを同時に感じた。

どうして山本大輔と結婚して子供まで産んでいるの？私は今熱愛中の運命の人と一緒になるはずじゃなかったの？

それに、この人は私のことを普通だと言って、妥協してでも私を選ばないって言ってたはずなのに？

……きっとこの世界が狂ってしまったんだわ！

「ママ、たくさん食べてね～」

木村愛子が私の好きな焼売を取り分けてくれた。

私は呆然と受け取った。

「あのね、愛子ちゃん、今年おいくつ？」

木村愛子：「えっ？」

同時に山本大輔も箸を置き、眉をひそめて私を見つめた。

木村愛子は突然泣き出し、短い足でお父さんの方を蹴った。

「パパが悪いの！おとといの夜にあんなに意地悪して！ママを熱出させて、今は記憶まで無くしちゃって、うぅ、愛子のこと覚えてないの、うぅ……」

私は衝撃を受けた。

私、私、私は、山本大輔とのあれで熱を出したの？

私は目を上げて山本大輔を見たが、彼は娘に蹴られるままで、深刻な表情で携帯を取り出し、かかりつけ医に電話をかけ始めた。

「私、私、私は病気じゃないわ！」

私は反射的に山本大輔の携帯を奪おうとした。

証明するために、必死に過去を思い出そうとした。

……でも子供がどうやってできたのかさえ思い出せないんだもの！

父娘は疑わしげに私を見つめていた。

私は口を開いて、「あのね……」

ふと思いついて、「私はただ、あなたたちが私のことを愛してるかどうか試してみただけよ。」

そう言いながら、木村愛子を抱き寄せ、落ち着いた様子を装った。

「そう、私ってこんなにつまらない女なの。」

言いながら、携帯を山本大輔に返した。「ごめんね、旦那様。」

山本大輔は一瞬固まり、目に明らかな驚きの色が浮かんだ。

もしかして私の言葉が間違ってた？

実は私たち家族は全然仲良くないの？

まさかね、山本大輔は確かに少しケチだし、私も確かにたいてい彼を殴りたくなるけど、ここまで来たからには。

私たち二人は、きっと愛し合って……よね？

「ママ～」木村愛子は嬉しそうに笑った。「やっとパパを許してくれたんだね！今までママはパパのことをそんな風に呼んだことないのに。」

私：「……」

小さな女の子は毎回タイミングよく私を思考の深淵から引き戻してくれる。

私はこっそり山本大輔を見やると、彼は目を赤くして、ぼんやりとしていた。

小さい頃はいつも私の宿題をカンニングし、大人になってからは私が恋人と親密になるたびに邪魔をしてきたこの幼なじみが、こんなにEMOな表情を見せるなんて。

だから、一体どんな誤解があったのかしら？

Bölüm 2: 第2章