休憩室にて。
私は軽く田中継の肩を叩いて、ソファに下ろしてもらおうとした。
しかし継は手放すのを惜しむように、私の首筋に執着するように顔を埋め、軽く身体を震わせていた。
「母上……母上……」
私は微笑みながら継の髪を優しく撫でた。
「いい子ね。」
「本当にいい子。」
ソファに座ると、私はお腹の偽妊娠パッドを取り出し、表情はますます優しさを増した。
継の影はしかし、歪んでいた。
彼の人皮が剥がれ落ち、巨大な怪物が彼の皮から抜け出して、私の上に飛びかかり、私の匂いを執着するように嗅いでいた。
「母上。」それは呼びかけた。
「母上が大好き。」それは呟いた。
私はソファに仰向けになり、顔中に穏やかな母性を湛えていた。
佐藤千鶴はどうして私が本当に他人の皇子妃になりたいと思うと考えたのだろう?
私が産む子供が種族に限定されないと知った時、私はすでに考えがあった。
私はシステムに頼んで自分の体を改造してもらった。
ある種族は、父親なしでも繁殖できる。
そして生まれながらにして強大だ。
自分の母親を中心として。
母親こそが女王なのだ。
それは虫族。
しかし虫族は百年前に絶滅した。
虫族の女王の死により、虫族も崩壊し、帝国の人々にとってそれは悪夢だった。しかし今、この悪夢を私が自ら引き起こす。
私は手元の資料を冷静に眺め、私にしがみつく大きな虫を気にも留めなかった。
帝国。
それはただの養殖場に過ぎない。
ここの人々はとっくに腐敗し、悪臭を放っている。
数え切れない少女たちが養殖場の底で死んでいった。
人々は死体の骨を踏みつけて這い上がる。
つまらない。
継は私の最初の子供だ。
私が産んだそれは、超高い資質と母親への完璧な執着、そして絶対的服従を持っている。
元の皇太子田中継については……
自分の子供を持つために、彼は数え切れないほどの少女たちを拷問して殺した。
さらに奴隷密売業にも関わっていた。
腐敗し悪臭を放つクズだ。
しかし利用価値はあった。
彼は私の子の父親であり、子は彼の腹から出て、自分の父親の皮を被り、母親に執着する。
「母上……」
私は笑いながら手の資料を投げ捨てた。
舞い散る白い紙は天女の花のようだが、その上には点々とインクの跡がある。
大丈夫。
時間はすべてを癒す。