Chương 1: 第1章 こんな展開おかしいだろ！ スライムよこせよ！
「はぁ……今日もクソみたいな一日だな。ていうか、昨日食ったコンビニのおにぎり、包み紙がまだそこに転がってるし……」畳の上でゴロゴロしながら、天井のシミを数える。俺、藤沢健一、大学卒業してから見事にニート街道まっしぐら。毎日、ゲームするか、ニコニコ動画で新番のMADを漁るか、せいぜいツイッターでアニメの感想バトルを眺めるくらい。家族？ もう俺のこと諦めたみたいで、最近は「就職しろ」って一言も言わねえ。「なんか、こう……人生ひっくり返すようなゲームでも出ねえかなぁ。」何気なくスマホを手に取り、いつものゲームフォーラムをチェック。
そしたら、突然、画面がピカッと光って、めっちゃ怪しいポップアップが飛び出してきた。【『異界』に登録して、第二の人生を始めよう！（限定1万人）】「……はぁ？ なにこれ、ソシャゲの広告？ こんなダサい文句、まるで平成初期のギャルゲーじゃん！」心の中で盛大にツッコミつつ、でも、なんか知らんけど指が勝手に「登録」をタップしちまった。【おめでとう！ あなたは8752番目の異界探検者だ！】次の瞬間、ホーム画面に新しいアプリがポンと現れる。アイコンはなんか、キラキラしたクルミみたいな物体で、下に【異界】って書いてある。
うわ、めっちゃ胡散臭いな、これ！ 2chで晒したら祭りになりそうなレベル！でも、好奇心には勝てず、ポチッとタップ。瞬間、画面が真っ暗。
「え、スマホぶっ壊れた！？ いや、俺の推しキャラの待受が！」焦る俺の目の前で、血みたいな赤い文字が浮かび上がる。【ゲームはカウントダウン終了後、スタートします。】
【00:47:38】新作ゲーム？ まだリリース前ってこと？
まぁ、いいや。ニコ動で何か面白い動画でも探そ――「……ん？ なんじゃこりゃ！？」ふと左腕を見ると、なんかヤバいことになってる。
黒い液晶みたいな数字が、腕に浮かんで動いてるんだ！【00:47:34】「うそ、なにこれ！？ タトゥー！？ いや、こんなダサいタトゥー、絶対コミケで売れねえよ！」慌てて親指でゴシゴシこすってみるけど、ビクともしねえ。まるで俺の腕が古臭いガラケーの画面にでもなったみたいだ。
試しにスマホで腕を撮ってみる。
……なのに、写真には何も映ってねえ！ ただの腕！「いやいやいや、マジかよ！ なにこれ、呪い！？ 深夜アニメのホラー展開！？」心臓バクバクしながら、さっきの【異界】アプリを開く。
やっぱり、アプリのカウントダウンと腕の数字が完全にシンクロしてる。【00:45:10】「うわ、ガチで連動してるじゃん！ なにこれ、SF！？ 異世界転移！？ いやいや、んなバカな！ 俺、ただのニートだぞ！」頭ん中で、まるで新番の主人公みたいにツッコミが止まらねえ。
でも、どこかで変な期待も湧いてくる。
だって、考えてみろよ――
広大な草原、魔法使いの美少女、ドラゴンとかモンスター！
もし俺がチート能力とか手に入れたら、めっちゃカッコいい冒険が――そんな妄想に浸ってる間に、カウントダウンはどんどん減っていく。
ついに――腕のカウントダウンが最後の瞬間を迎えた。【00:00:02】
【00:00:01】
【00:00:00】「……え、うそ、待て待て！」瞬間、俺の体がなんかヤバい感じに崩れていく。
まるで、昔ハマってたガチャポンのカプセルがパキッと割れるみたいに、ピカピカ光るデータの欠片みたいなのが体から弾け飛んで、辺りにバラバラ散っていく。「うわっ、なにこれ！？ 俺、消滅！？ アニメの最終回！？」次の瞬間、真っ暗な闇に飲まれた。暗闇の中、なんか変な数字とか記号がビュンビュン流れまくってる。
白と緑の文字がチカチカ点滅して、赤い数字がたまにピョコッと浮かぶ。
まるで、ニコ動で見た古臭いSFアニメのオープニングみたい。
いや、こんな時にアニメの話してんじゃねえよ、俺！突然、暗闇がバチッと消えた。「……は？」体がなんか、データの欠片からググッと戻ってくる感覚。
目の前に広がったのは、見たこともねえ荒野だ。夜風がヒュッと吹いて、土と枯れ草の匂いが鼻をつく。
周りは果てしない荒れ地。まじで、RPGの最初のマップかよ。「……痛っ！」頬をつねってみた。めっちゃ痛え。
夢じゃねえ！ ガチだ、これ！「いや、ちょっと待てよ……これ、なんなんだ？ フルダイブVR？ それとも、マジで異世界転移！？ いやいや、俺、ただのニートだぞ！」立ち上がって、自分の姿を確認。
色褪せた紺のボロ布服、腰にダサい麻縄、足元はもうボロボロの草鞋。
「うわ、なんだこの装備！？ アニメイトで500円のコスプレ以下じゃん！ せめて初期装備でカッコいい剣とかくれよ！」慌てて袖をまくる。左腕を見ると、さっきのカウントダウンがまだそこにあって、隣に新しい文字が浮かんでる。【生き延びれば帰還可能 00:59:44】「生き延びる……？ え、1時間耐えれば家に帰れるってこと？」ゴクリと唾を飲む。
落ち着け、健一。とりあえず、状況を整理しろ。
でも、頭ん中、昨日の5chスレで見た「異世界転移あるある」しか思い出せねえ！
「普通、最初は村人に話しかけてクエストもらう流れだろ！ なんで俺、こんな荒野にポーンと放り出されてんだよ！」夜空を見上げる。
でっかい月が浮かんでる。
なんか、めっちゃ赤い。まるで特撮映画の最終ボスが出てくる前の不気味な月だ。
その光、めっちゃ冷たくて、地面にゾッとする影を落としてる。その時、背後からカサカサって音がした。――何かいる！全身がビクッと固まる。
ゆっくり、めっちゃビビりながら振り返る。血月の薄暗い光の下、そいつの姿が見えた。デカい。めっちゃデカい黒い獣。
ドッグトレーナーのYouTubeで見たドーベルマンみたいだけど、サイズが2倍以上！
ガリガリに引き締まった体、ピンと張った筋肉、毛がピタッと体に張り付いてて、歩くたびにヤバい力がビシビシ伝わってくる。
牙の間から紫っぽい舌がベロッと垂れて、ドロドロした唾がポタポタ落ちて、すげえ臭え匂いが漂ってくる。そして、その目――
まるで、コミケで買った怪しい同人誌の表紙にありそうな、血まみれのクリスタルみたいな目。
死んだ魚みたいに冷たくて、でもなんか狂気じみた光がギラギラしてる。「うそ、待て待て待て！ こんな展開、ありえねえだろ！？」心臓がバクバクして、頭ん中で叫びまくる。
普通、ゲームや小説なら、最初はスライムとかゴブリンとか、弱い敵からだろ！？
なんで俺、初っ端からこんなラスボス級のモンスターと対峙してんだよ！？「スライム！ スライムどこだよ！ せめてチュートリアルくれ！」
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