三皇子が蛮族を撃退する時間は以前より早かった。
私は府内で相変わらず嫁入り衣装を縫っていて、この間、藤原修にアドバイスなどしていなかった。
藤原修も不思議に思わず、桜井氏の助けがあれば皇位は手の届くところにあると自負していた。
しかし、天皇がまだ生きているため、彼は苦しんでいた。
まるで、三日三晩飢えた狼の前に肉を置いたようなものだった。
新年を迎え、宮中でも宴会があり、私は最後のチャンスが来ることを知っていた。
長谷川静香は私を見つめ、目には疑問が満ちていた。
【もし行動を起こすのなら、とっくの昔にできたはず。なぜ宮中の宴会まで待つの?】
私の脳裏に、三皇子の清らかで凛とした姿が浮かんだ。
【あの時行動を起こしていたら、今ほど痛快ではなかったでしょう。】
ご存知の通り、当時の藤原修は重要視されていない皇太子に過ぎなかった。
柳田雪乃が天皇の妃になったとしても、反抗する気など起こせなかっただろう。
しかし今や、彼は後宮の子であり、桜井氏の助けもある。
そして最大の敵は辺境にいる。
さらにこの期間、天皇に罵られ、虐げられてきた。
彼の心にはすでに怒りの炎が燃え上がっており、私はただ薪を一本加えるだけでよかった。
この薪を加えれば、誰でも反乱を起こさなければ自分の地位に申し訳が立たないと感じるだろう。
宮中の宴会で。
臣下の娘として、皆が出し物を披露しなければならなかった。
私と柳田雪乃も例外ではなかった。
ただし、私は平凡な曲を演奏することを選び、柳田雪乃は舞を披露した。
天皇は年老いており、長時間外に座っていることができなかった。
そのため、形式的な挨拶を済ませると、すぐに引き上げた。
そして柳田雪乃と藤原修は、当然密会の場所を探すことになった。
私は事前に柳田雪乃に何かを飲ませておき、長谷川静香に三皇子を引き止めさせた。
天皇は体は老いていても、心はまだ若かった。
可憐な美人を見れば、当然連れて帰りたくなるものだ。
この夜、柳田雪乃は多くの苦しみを味わった。
翌日、詔が下され、柳田雪乃は安妃に封じられた!