Tải xuống ứng dụng

Chương 4: 正義か筋か

赤土まみれの道を、トボトボと歩いていた。

空は変に紫がかっており太陽も二つ。

一個でええやろ、なんで二つもあんねん。

風はスパイス臭いし、遠くから「ギャギャギャギャギャ」と聞いたことない鳴き声が響いてくる。

道の脇には、デカい石の浮いとる遺跡が宙にぷかぷか。よーわからんけど物理が仕事サボっとる。

──うん、異世界やわ。

真堂拳志は、干し肉を噛みながらぼやいた。

「なんやねんこの世界……現代とゲームと中華街の悪いとこ全部混ぜたみたいやな……」

「それでも、ここがヴェルザ=ルーンの王都圏よ。覚えときなさい」

横でキレ気味に歩くのは、金髪の姫、アリシア。

「はいはい、王都やな。うまい飯あるんやろ?早よ行くで」

「……はぁ……あんたの脳みそって、空腹と喧嘩しか入ってないのね……」

そう言いながら門へ近づくと──

人のざわめきと、空気の重たさが、急に変わった。

「……なんや、騒がしいな」

門の先、石畳の広場。

処刑台と、縛られた子供の姿。

拳志の目が、すっと細くなる。

(弱いもんいびる奴は...昔から一番許せへんな)

「姫さん、ちょい行ってくるわ」

「はあ!?ちょっと拳志!またアンタ勝手に……!」

すでに、拳志は広場へ歩き出していた。

ざわめきが、広場を覆っていた。

処刑台の前では、民衆が口を噤んで立ち尽くしていた。

怒るでも、止めるでもない。誰もが、ただ見ているだけ。

泣き出しそうな女、顔を伏せる老人、手を引く母と子。

その目には、諦めと恐怖が宿っていた。

一方で、その背後の石造りの街道では、

豪奢な服をまとった貴族たちが、処刑の様子を見ながらも、

「またか」と言わんばかりに、何事もなかったように通り過ぎていく。

周囲の騎士団は、誰一人として目を逸らさない。

だが、それは正義のまなざしではなかった。

処刑台に向けられる視線は、冷酷で、無表情で、訓練された無関心。

王都ヴェルクレスト

それが、この国の正義だった。

中心にある石畳の処刑台では、十歳にも満たない少年が、縄で柱に縛りつけられていた。

「これにて、本件の裁きとする」

騎士団の男が、冷たく告げた。

罪状は貴族街のパンを盗んだ。

ただそれだけ。

「民に模範を示すには、罰も必要だ」

「王都の秩序を乱す異分子を、断固排除する」

「この国は法と統律によって守られているのだ」

もっともらしい言葉を並べる騎士たち。

その周囲には、息を潜める民衆と、無関心の貴族たち。

そしてその場に、ひときわ異質な男がいた。

肩で風切って歩きながら、咥えていた干し肉をもしゃもしゃと噛みちぎる。

「ああ、うっさいなぁ……胸糞悪ぅてしゃあないわ」

処刑台へと続く階段の下──その足音に、誰かが気づいた。

「……待て、そこの男!ここは王国の処刑場だ。立ち入りは──」

次の瞬間、騎士の体が崩れ落ちていた。

顔は石畳にめり込み、呻き声すら出せない。

広場にいた誰も、拳志が動いたところを見ていなかった。

ただ、気がつけば騎士が沈んでいて──

空気は一瞬で凍りついた。

「お、おい……!?誰だあの男は……!?」

アリシアが、顔を青くして呟く。

「拳志……!」

拳志は処刑台を見上げる。

縄で縛られ、震えている少年。

そして、その前で大剣を構え、今まさに断罪せんとする騎士。

「……へぇ。民に模範を見せる言うて、ガキ殺すんか。ずいぶん立派な正義やな」

首を鳴らしながら、階段を一歩ずつ登る。

「……なにをしている、貴様は!?」

「処刑を妨害すれば、貴様も国家反逆罪──っ!!」

言葉の続きを告げる前に、騎士の体がぐらりと傾いた。

数歩よろめいたかと思うと、そのまま前のめりに倒れ込み、動かなくなる。

拳志はもう、処刑台の上に立っていた。

「ガキを殺すために武器構えて、守るために殴る奴を悪者呼ばわりか。どんな教育しとんねん、この国は」

震える処刑隊長が、最後の手段とばかりに構えを取る。

「こ、この暴徒を鎮圧せよッ!!」

直後──

処刑台に展開されたのは、複数の魔術式。

空間を歪め、剣を高速で振るい、炎と風を操る複合魔術剣士。

「貴様のような暴力者に、秩序を乱す権利はない!!」

風が鋭く裂け、空気が押し出される。

火の塊が軌跡を描きながら、一直線に拳志へ迫った。

「──で?」

拳志が前に出した拳が、炎も風も──すべてを、無造作に打ち砕いた。

火球が砕け、風が消え、魔法が崩れ落ちる。

魔力の奔流すら、拳一発で吹き飛ばした。

処刑台の上で、沈黙が落ちた。

「……魔法が……効いてない……?」

「いや、違う……消された……!」

騎士たちが青ざめる。

アリシアですら、ゴクリと唾を飲んだ。

拳志は、魔法陣が砕ける火花の中で、ただ一言。

「お前らの正義、薄っぺらいねん」

殴ろうとした。

そのときだった。

「やめなさい拳志ッ!!」

アリシアの声だった。

「それ以上やったら、あんたがただの暴力になる!希望じゃなくなる!私は……そんなの、見たくない……ッ!」

拳志の拳が、止まった。

……ほんの、寸前で。

沈黙。

処刑隊長は、汗だくで一歩引く。

拳志は、口の端だけを吊り上げた。

「……しゃあないな」

ゴッ!!

拳志は騎士ではなく、処刑隊長の足元を殴った。

石畳が砕け、バランスを崩した騎士の大剣が宙を舞い──

拳志は、その柄を掴んだ。

そして。

パキィィン!!!

真っ二つに、へし折った。

「これが、お前らの正義の剣や。ペラペラやな」

隊長が崩れ落ちる。

広場は、静まり返っていた。

アリシアは拳志の背中を見つめた。

怒鳴ったはずなのに、胸が妙に早く打っているのに気づき、思わず息をのむ。

「……暴力的なのに……ちゃんと止まれるのね、あんた」

拳志は、一度だけ振り返って、言った。

「理不尽なことには、容赦せえへん。

まぁ、筋の通った声には、ちゃんと耳傾けんとな」

アリシア、目を見開いて、思った。

──この人なら、変えてくれるかもしれない。

民が、静かに拍手を始める。

子どもが泣きながら、拳志に抱きつく。

拳志は、少し戸惑いながら──その頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

拳志は歩き出す。

「腹、減ったな。なんか食うもんないんか?」

この日、王都の正義が──ひとつ、ぶっ壊された。


next chapter
Load failed, please RETRY

Quà tặng

Quà tặng -- Nhận quà

    Tình trạng nguồn điện hàng tuần

    Rank -- Xếp hạng Quyền lực
    Stone -- Đá Quyền lực

    Đặt mua hàng loạt

    Mục lục

    Cài đặt hiển thị

    Nền

    Phông

    Kích thước

    Việc quản lý bình luận chương

    Viết đánh giá Trạng thái đọc: C4
    Không đăng được. Vui lòng thử lại
    • Chất lượng bài viết
    • Tính ổn định của các bản cập nhật
    • Phát triển câu chuyện
    • Thiết kế nhân vật
    • Bối cảnh thế giới

    Tổng điểm 0.0

    Đánh giá được đăng thành công! Đọc thêm đánh giá
    Bình chọn với Đá sức mạnh
    Rank NO.-- Bảng xếp hạng PS
    Stone -- Power Stone
    Báo cáo nội dung không phù hợp
    lỗi Mẹo

    Báo cáo hành động bất lương

    Chú thích đoạn văn

    Đăng nhập