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私は彼らの目に宿る殺気を見て、不吉な予感が胸に広がった。
「あのじじいの腹を切り裂いてみたらどうだ?あたしゃ前に、あの老いぼれが通帳持って町の銀行に金を下ろしに行くのを見たことがある。今はきっとこの小娘が腹の中に隠してるに違いないよ!」
四伯母が提案し、地面に倒れている私に向かって唾を吐いた。
他の者たちは地面に横たわる裸の遺体を見て、少し躊躇していた。
「四弟嫁、それは...あまりよくないんじゃないか。お爺さんはもう亡くなったんだ。そんなことをしたら雷に打たれるぞ...」
次叔父はのどぼとけを動かしながら、おずおずと口を開いた。
「次兄さん、その言い方はおかしいわ!何が『そんなこと』よ?さっき服を脱がせるとき、あんたも手伝ったでしょ?今さら孝行息子のふりをするつもり?遅いわよ!」
次叔父は言い返せずに黙り込んだ。
続いて、四伯母は声を張り上げて親戚一同に叫んだ。
「じじいはもう死んでるんだ。二、三カ所刺したところで肉が減るわけじゃない。死人が生きてる人間より大事なわけないだろ?」
この言葉を聞いて、皆の目が決意に満ちた光を帯び始めた。何かを決心したようだった。
「切れ!」
伯父が歯を食いしばって言った。
彼らの言葉を聞いて、私の心臓が激しく震えた。
この連中は本当に狂ってしまった!
青黒い模様が狂ったように伸びる蔓のように遺体全体を覆い、祖父の遺体はすでに死気によって巨人のように膨れ上がっていた。
死気の中には何十億ものウイルスが含まれている!
今、祖父の体にほんの少しでも傷がつけば、死気が漏れ出してしまう。
そうなったら誰も逃げられない!
私は必死に体をもがいて止めようとした。
しかし次伯母に頭を踏みつけられ、彼女のかかとが私の割れた頬骨をねじるように押し付けてきた。
「焦らないで、姪っ子。あんたの爺さんの棺桶代を取り出したら、ちょうどあんたのような下賤な骨を入れる薄い棺を買えるわよ!」
そして、彼女は布切れで私の口をふさいだ。もう何の声も出せなくなった。
阻止する力もない私は絶望的な気持ちで目を閉じた。
これで本当に終わりだ...
その時、伯父が先頭に立ち、刃物を手に祖父の遺体にゆっくりと近づいていった。
誰かが鼻をしかめながら空気中の匂いを嗅いでいた。
「なんか遺体が腐ってきてる気がするんだが、この小娘が言ってた感染症って本当なのか...」
「やめておいた方がいいんじゃないか...」
長兄は唾を大きく飲み込み、父親の服の裾を引っ張った。
伯父も十分に怯えていて、慌てて頷いた。
「臆病者!」
背後にいた三叔母が刃物を奪い取り、そのまま祖父の遺体に突き刺した!
次の瞬間、墨緑色の死気がウイルスを運びながら一気に噴き出し、彼らの全員にかかった...