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3.79% 聖騎士追放 それでも彼は国のために戦った / Chapter 3: 黄金郷の伝説

Chương 3: 黄金郷の伝説

「トール、お前は黄金郷の話をどこまで知っている?」

 魔女と名乗ったブランは、鬱蒼と生い茂る木々に満たされた森を歩く。その前を行くのはトールである。

「おとぎ話程度なら。……黄金でできた町。栄華を極めた古代文明。かつてその町を支配した王は、何でも願いの叶う魔法の杖を持っていたという」

「そうだな。そうだ」

 ブランは頷いた。

「それで?」

「やがて王は、より力と財を求めて魔界の門を開いた。だがそれは神の怒りを買った。その裁きを受けて王は深き谷に沈み、黄金郷もまた神の力によって隠された。恐るべきモンスターが跋扈するその土地は、やがて暗黒島と呼ばれ、深い霧の海に閉ざされた」

「まさしく、この島のことだな!」

 ブランは両手を挙げた。まるで勝利を得たと言わんばかりに。……何についての勝利かはわからないが。

 つる草をめくって進みつつ、トールは続けた。

「暗黒島と黄金郷は隠されたが、その黄金は魔法の杖と共に眠る……。新たな主がやってくるまで。……それが俺が子供の頃に聞いた黄金郷にまつわる伝説だな」

「結構、結構。大いに結構だよ、トール。その伝説は概ね正しい!」

 ブランはやはり楽しそうだった。ひょっとして馬鹿にされているのではないか、とトールは訝る。

「そしてお前はその伝説を信じて、この暗黒島にきた。黄金郷――そして魔法の杖を手に入れるために」

「……」

「そう怖い顔をしないでくれ、トール。私はお前の敵ではないよ。まして、馬鹿になどしていない」

 彼女は自身のこめかみに指を当てた。トールが黄金郷を目指して暗黒島にきたことを、この自称魔女は読み取っている。

 ではその目的や、考えていること諸々も――

「言ったはずだ。記憶の浅いところしかわからないから、お前が何を考えているのか、その全てを見通しているわけではない、と。しかしトール。私はお前の願いに協力できるし、お前も私を手伝うことができる」

 ブランは上機嫌である。

 森を抜ける。小高い岩山があって、その平らな大地に防壁が見えた。あれがこの島にある数少ない人間の拠点、冒険者村であった。

 人間の生活圏と遭遇できたことで、トールは一息つく。魔法が使えるとはいえ、武器は万能ツールのナイフ一本しか残っていない。凶暴さで有名な暗黒島のモンスターとはこの装備では鉢合わせしたくないものである。

「おい、聞いているか、トール?」

「……すまん、聞いていなかった」

 正直にトールが答えると、ブランはやれやれと自分の腰に手を置いた。

「この黄金郷に詳しい魔女である私の話を聞かないとは、お前は本当に魔法の杖が欲しいのか?」

「そういえば、黄金郷の魔女って名乗っていたな」

 初対面の時に彼女がそう言っていたのをトールは思い出した。

「あれは、どういう意味だ?」

「文字通り、私は黄金郷にいた魔女だよ。伝説の王の側近だった女だ」

「……」

「その顔は、信じていないな?」

 ブランは僅かに頬を膨らませた。少々機嫌を損ねたらしい彼女に、トールは言った。

「そりゃ、伝説って大昔だ。君はそんな歳には見えない。若くて美人だ」

 二十代前半。成人したばかりの女性に見える。

「ありがとう、お世辞でも嬉しいよ。だがな、トール。最初に言っただろう? 私は普通の人間ではないと」

 黄金郷の伝説では、かつての王は地の底へ落とされた。その側近であったというブランは、神々が黄金郷を世界から隠す時に『鍵』にされたという。

「鍵?」

「より正確に言えば、私の力を十二に分けて、黄金郷を封じるモンスターに与えた。トール、お前、海竜――ヴォーテクスを倒したな?」

 船を襲った巨大海竜。

「あれも、私の力を分けられたモンスターの一体だ。お前はそれを倒したことで、私はその力で体を得た。まあ、本来の力の十二分の一だがな。……さあ、察しのいいお前なら、意味は伝わったな?」

「言うほど察しはよくないぞ、俺は」

 トールは考える。魔女と名乗るブランの話が全て本当だとして、互いに協力しあえるというのは。

「黄金郷は実在し……その黄金郷に行くためには、君の力を持った十二体のモンスターを倒す必要がある……?」

「素晴らしい! その通りだ」

 ブランは近づくと、トールの胸を指で突いた。

「お前は黄金郷に行き、宝である魔法の杖が欲しい。私は故郷に……黄金郷に帰りたい。利害の一致だ。お前は十二のモンスター、その一体を葬れる実力がある」

 黄金郷に行くには残りも倒さなくてはいけないが、倒せば倒すほどブランは力を取り戻し、トールを助けることができる。

「お互いに協力して願いを叶えようじゃないか。なに、私が力を得れば、お前もその恩恵を受けることができる」

「……恩恵?」

「今のうちに謝っておく。私はお前と契約した。……そう身構えるな。私がこの体を保つためには魔力が必要でな。不足すると消えてしまうから、非常時にお前の魔力を借りるというものだ。お前にとって損はない。むしろ、お前に死なれると私自身も巻き添えで消えてしまうから、私のほうがいささか不利な契約なくらいだ」

 魔女は歩きながら説明を続けた。トールが得られる恩恵として最大なのは、契約した使い魔のようにブランに指示を出したり、彼女の魔法を使うことができたりすることだった。

「私が力を取り戻すたびに、お前もまた強くなるということだ。黄金郷を守るモンスターの力は強大だ。それを打ち破るためにも、お互いに損はない。……これを聞いても私を拒むか?」

「いや。むしろ俺でいいのかと恐縮してしまうくらいだ」

 トールは自嘲した。

「俺は聖騎士として持っていた神の加護を奪われた人間だ。黄金郷のモンスターを倒すことに関して、全盛期の力がない。それでもかまわないのか?」

「ふん、神の加護とやらがなくとも、ヴォーテクスを倒したではないか。充分だよ、トール」

 ブランは妖艶に微笑んだ。

「一体ずつ倒して、私たち二人で強くなっていけばいい。そのためには私はお前を必要な存在だと思っている。お前も私の力に頼れ。私が許す。……よろしくな、トール」

「こちらこそ、ブラン」

 二人は立ち止まる。

「とりあえず村だな」

 冒険者村の入り口に二人は立った。これから暗黒島で活動していく上で、食と住の拠点となるだろう場所である。


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