三日後、木村探偵から電話があった。
「桐山さん、調査結果が出ました」
「ただ今回の状況はかなり複雑なので、一度来ていただけますか」
私は手元の仕事を置いて、すぐに探偵事務所へ向かった。
木村探偵は分厚いファイルの入った封筒を私に渡した。
「桐山さん、心の準備はよろしいですか?」
私は頷き、封筒を開けた。
中には大量の写真と資料が入っていた。
最初の一枚を見た瞬間、私は凍りついた。
それは篠原晴香と松井浩明がホテルの入り口にいる写真で、時間表示は1年半前だった。
つまり、彼らの関係は浩明が認めていた時期よりも早かったということだ。
私はさらに写真をめくっていった。
様々な角度、場所、時間の写真。
ホテル、レストラン、映画館、公園。
彼らは普通のカップルのようにデートし、食事をし、映画を見ていた。
そして私は、家で彼女の帰りを待ち、夜食を作っていた。
「桐山さん、我々の調査によれば、奥様と松井さんの関係は確かに1年半ほど続いています」
木村探偵は写真を指しながら言った。
「しかも頻度から見ると、平均して週に3回以上会っています」
「時には平日の昼食時、時には夜に」
「奥様はよく残業を口実に彼と会っていました」
週に3回以上。
つまり、彼女は私よりも彼に多くの時間を費やしていたということだ。
私はさらに写真をめくった。
突然、私を完全に激怒させる写真を見つけた。
それは私たちの結婚記念日の翌日の写真だった。
その日、私は遅くまで残業し、晴香は友達と集まると言っていた。
しかし写真では、彼女と浩明が私たちがよく行くレストランで抱き合い、キスをしていた。
彼女は私がプレゼントしたネックレスをつけ、私が買ったドレスを着ていた。
私のお金を使って、他の男とデートしていたのだ。
「これだけではありません」
木村探偵は別のページをめくった。
「こちらをご覧ください」
それはホテルの宿泊記録だった。
1年半前から始まり、ほぼ毎月記録がある。
部屋代はすべて晴香のクレジットカードで支払われていた。
そのカードは、私の副カードだ。
つまり、彼女は私のお金で、他の男とホテルに行っていたのだ。
私の手が震え始めた。
怒りではなく、怒りが極限に達した後の静けさだった。
「もっとひどいことはありますか?」