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章節 4: 4

私と奈津紗は沙良が危険な目に遭ったと思い、急いでキッチンに駆け込んだ。

キッチンのガラスは誰かに割られていた。

佐藤拓海に持ち去られなかった、私たちのわずかな食料がすべて盗まれていた!

食料が尽きた!

私と沙良は顔を見合わせた。ここにはもう居られない。

出ていくしかない!

ウクライナを離れるしかない!

リヴィウだけでなく、首都キエフを含め、ウクライナには平穏な場所が一つも残っていない。

皆が逃げ出している。

キエフから出る道路は水も漏らさぬほど渋滞しているのに、反対に入る車線は誰もいないという。

この避難民たちはどこへ行けばいいのだろう?

西へ向かい、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、モルドバなどの隣接国に行くしかない。

テレビの電波はとうに途絶え、ラジオによると、ウクライナからポーランド国境への道路は深刻な渋滞状態で、それでも何千人もの人々が列をなして出国を試みているという。

ポーランドのメディカ検問所では、待機している車の列が14キロメートルに達し、国境を越えるのに40時間もかかるという。

私たちもポーランドへ逃げる予定だが、その道中も当然危険だらけだ。

戦争の影響で、インフラが破壊されただけでなく、社会秩序も崩壊している!

無法者たちが、この機に乗じて暴れまわっている!好き放題やりたい放題!

殴る!

壊す!

奪う!

殺す!

燃やす!

犯す!

あらゆる悪行、狂気の沙汰!

至る所が廃墟!

至る所が恐怖!

無力な男たち、パニックに陥った女たち、泣き叫ぶ子供たち!

その中にいると、まるで世界の終わりのようだ!

リヴィウを離れる途中、地元で有名なテレビ局の美人キャスター、元ミスコンの女王だった人を目の当たりにした。

かつては豪華な場所に出入りし、贅沢な生活を送っていた彼女。

今や正体不明の制服を着た数人の男たちに、ニヤニヤ笑いながら廃墟の中に引きずり込まれ、辱めを受けていた!

「早く行くぞ!」

私は急いで沙良と奈津紗に声をかけた。

二人とも美しすぎるので、道を歩いていて問題が起きないよう、わざと顔を汚し、頭にスカーフを巻き、ボロボロの服を着させた。

私たち三人は危険を避けるため、近くの高層ビルの地下室に隠れた。

あっ!

私は大声で叫び、思わず吐き気を催した!


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