章節 10: 謎の石！

陳正国はもはや耐え切れず、震える声で言った。「お…お前、一体何をするつもりだ…昼間、俺は…俺はもう土下座までしただろうが！これ以上、我々にどうしろと言うのだ！」

陳鋒もまた、この張り詰めた空気に耐えられず、直接床にひれ伏した。「葉さん、葉様…どうか、どうか俺をお許しください！先ほどの孫怡の件は、父が言い出したことで、俺には一切関係ありません！俺を許してくださるなら！何でもしますから！」

「お前…」陳正国は全く想像していなかった。この期に及んで、あの馬鹿息子が、あっさりと自分を売り渡しおったのだ！

彼は今回、生き延びるのが難しいことを悟った。それでも立ち上がり、無理やり自分を落ち着かせると、声を張り上げた。「お前が誰であろうと、どこから来た者であろうと知らん！だが言っておくぞ、我が陳家には武道宗師がいらっしゃるのだ！もし我々に手を出せば、宗師の怒りがどれほどのものか、お前のような若造に耐えられると思うな！」

「宗師？」葉辰は笑った。「お前が言っているのは、10年前に山に籠って修行に入ったという、陳宝国（ちん ほうこく ）のことだろう」

相手がその名を知っていると聞き、陳正国はかすかに安堵の息をついた。「お前が古流武術家であることは分かっている。そして、お前らには掟があることもな。もし手を出せば、宗師の怒りを買うだけじゃない、あの組織からも追われることになるぞ！俺たちに何かあったら、お前が無事で済むとでも？」

「ほう？そうかね？」葉辰は顔を上げ、口元に笑みを浮かべた。

突如、葉辰が動いた！彼の手のひらに、白い気の矢が瞬時に形を成す。矢は唸る風をまとい、逃げ腰の陳鋒めがけて一直線に放たれた！

「ブシュッ！」

矢は喉を貫き、陳鋒はそのまま地面に倒れた！

「さて、それでもこの俺が何もできんと言うか？」葉辰の冷ややかな声が、屋敷中に響き渡った！

陳正国は顔面蒼白になり、ぴくりとも動かない息子を一瞥した。彼は悟った。今回、自分もまた死を免れることはできないだろう、と。

彼はソファに寄りかかって腰を下ろし、まるで十歳も年老いたかのようにやつれた様子で言った。「俺が死ぬことは分かっている。だが、理由を教えてほしい。なぜ我々を殺すのだ！我々とお前の間には、何の恨みもないはずだ…」