剣仙おじいちゃん、モフモフ配信で銀河をバズらせる！

【星間モフモフ配信記：獣好き飼育員、戦場を制す！】

星間世界に転生した石川静は、「獣化できない人間」として珍しく生き残った一人だった。
生活のため、彼女は特殊動物園の飼育員として働きはじめる。

けれど給料は安く、彼女は生きていくために奇妙な配信を始めた。
――モフモフたちに餌をあげるだけの、癒し配信。

「よしよし、今日もいい子ね～」
そんな穏やかな映像が流れる日々。

だが、星間戦争が勃発する。
特別採用された静は軍に入隊。
周囲の兵士たちが機甲を操る中、彼女は雪豹を撫で、
他の者が虫族と戦う中、彼女は狼の子を抱いていた。

そしてある日、重傷を負った白いライオンを抱えて帰還する。
「いい子、怖かったね。お姉さんが毛づくろいしてあげるから」

その配信が流れた瞬間、コメント欄は爆発した。
【待って！あれ、帝国の親王セイント殿下じゃない！？】
【戦功ランキング首位の“殺神”だぞ！？】

誰も知らなかった。
この柔らかな少女が、千年試練期を生き延びた最強の実力者であることを。
そして、彼女の膝の上で喉を鳴らす獣たちが、
戦場で恐れられるSランクの獣化戦士であることも――。

やがて、虫族が戦場を急襲する。
そのとき、少女は静かに立ち上がり、
素手で虫族の母巣を粉砕した。
背後には、群れをなす戦獣たちが従っている。

人々は戦慄した。
「これが“毛撫でマニュアル”だと？どう見ても獣の調教術だろ！」
「配信者さん、俺を見て！メインクーン獣化、出撃許可をください！！」

ある夜、静はライオンの耳を撫でながらつぶやいた。
「人間の姿になれたらいいのに……」

その夜、彼女は腰を掴まれ、ベッドに押し倒される。
耳元で低く柔らかな笑い声。
「人の姿が見たいなら、そう言ってくれればよかったのに――飼育員さん」