従順だけど野生的！？ 秦野さんに振り回されるクール社長

秦野詩織が別れを告げた日、藤井孝宏はそれをただの拗ねだと思い、本気にしなかった。
誰もが「彼女は彼を愛しすぎて、離れられるはずがない」と言っていたから。

だが――本当に彼女が去った時、傲慢な御曹司は初めて恐怖を知る。

四年後、再会した瞬間。
彼は彼女を車に押し込み、理性を飛ばしかけて囁く。
「詩織、俺の許可なくどうして勝手にいなくなる？」
「私たちはもう終わったのよ！」
「終わり？ 俺は認めない。お前は一度俺のものになった。なら一生、俺の女だ！」

雪が舞う街角で、彼は窓を開けて告げた。
「秦野さん、俺は結婚したい。――藤井の妻になってほしい」
「……で？」
「わがままでも、泣き虫でも、甘えん坊でもいい。一生、お前を甘やかす」

世間では「冷酷非情で女嫌い」と囁かれる藤井孝宏。
だが夜ごと、彼は彼女の腰に腕を回し、子供のようにせがむ。
「ベイビー、寒いんだ。旦那を温めてくれよ」

そして数多の社交界マダムたちが頭を下げに来る。
――「藤井奥様、どうか『夫を手のひらで転がす秘訣』を教えてください！」