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章節 2: 2

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システム:【攻略を放棄した場合、任務失敗とみなし、任務世界での肉体は抹消されます。元の世界に戻った後も、身体の欠損は修復不可能です。宿主様、よろしいですか?】

私は迷わずに頷いた。

佐藤俊介、私たちが出会わなかったことにしましょう。

システムメニューがすぐに表示され、任務失敗により全ポイントが没収され、肉体死亡までのカウントダウンは三日間と表示された。

十分だわ、と自分に言い聞かせた。

俊介に近づいてから結婚するまで十年かかったけど、彼から離れるのにはたった三日で済む。

車椅子を操作して退院手続きをしようとしたところ、俊介に気づかれてしまった。

彼は私の惨めな姿を見て、さっと立ち上がり、スマホも気にせず床に落として画面にひび割れを作ってしまった。

「どうして出てきたの?少し空気を吸いたかったの?一人は危ないから、僕が付き添うよ」

彼は親切に前に出て私の車椅子を押そうとしたが、私は冷静に家に帰りたいと告げた。

俊介はすぐに管理人に車の準備を指示し、私が検査を受けたくないだけだと思ったようだ。「家に帰るのもいいね。気分が良くなれば回復にも良いかもしれない」

私は皮肉に思った。彼は知らないだろう、私が帰りたい家はこの世界にはないということを。

今日の私の様子があまりにも普段と違うせいか、俊介は落ち着かない様子だった。彼は車で私を別荘に送り届けた後、またすぐに出かけた。

戻ってきたとき、別荘の入り口は彼が持ち帰った赤いバラの花々で埋め尽くされていた。

「琴子ちゃん、赤いバラが一番好きだったよね?これからは毎日贈るから、元気を出してくれないか?」

私は美しい花々を見て、そして誠実な言葉を口にする俊介を見たが、心は何も動かなかった。

結婚して何年も経って、彼が初めて自ら私に花を贈ってくれた。

バラが好きじゃない女の子なんていないし、私もそうだった。

でも今は、もう欲しくない。

彼と無駄な言葉を交わしたくなかったので、私は手近にあった枯れかけたバラを一輪手に取り、うんと返事をした。

ようやく私から反応があったことで、俊介は安堵の表情を浮かべた。


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