「手足は歩くのと物事をするためにあるもの。裏切り者なら、もういらないでしょう」
執事が私に短剣を差し出し、私はそれを弄びながら、桐山恭弥を見下ろした。
「手の筋と足の筋、償いとして、あなた自身でやるか、それとも私がやるか」
恭弥は不満げな顔をしていたが、何かを思い出したように、はっとした表情になった。「なるほど、君が突然心変わりした理由がわかった。いつも僕に従順だった君が、突然こんなに冷たくなって、何度も離婚を切り出すようになったのは」
「あの男のせいだろう!小さい頃から君は城之内譲の方が好きだった。彼は何もかも僕より優れていて、君にも至れり尽くせりだった。誰もが君たちは天地が結びつけた運命のカップルだと褒めていた。後に僕と一緒になったのも、城之内譲が死んだと思ったからだろう?」
「君は城之内譲があの戦争で死んだと思い込んで、仕方なく僕と一緒になった。今、彼が戻ってきたから、急いで彼のもとへ行きたいんだろう!」
私は恭弥の声を聞きながら可笑しくなり、本当に声を出して笑った。
「あなたの言うとおりよ」
「最初から私は城之内譲を見るべきだった。あなたではなく」
私は短剣を回しながら、恭弥の「やっぱりそうか」という表情の下で、彼の足首に一撃を加え、彼が私につけた勲章の下で、私の勲章を容赦なく引き抜いて、彼に告げた。
「三本目」
それから、素早く正確に二撃目、三撃目を刺し、私の勲章が容赦なく引き抜かれた。
「四本目」
鮮血が飛び散った。
恭弥は必死に痛みの叫びを押し殺し、冷や汗が彼の髪を濡らした。彼は苦しげな笑みを浮かべて私を見た。「篠原詩織、お前には心がない!」
彼は弱々しく私の名前を呼んだ。
「お前には心がない」
私は応えず、執事が手渡してくれた濡れタオルで手の血を拭き取り、そのタオルを彼の顔に投げつけた。
「汚らしい」
「恭弥と葉山美秋を一緒に閉じ込めて。殺さないように」
私は執事に告げた。
「それから、私が用意した贈り物も一緒に持っていって」
美秋は悲鳴を上げながら叫んだ。「なぜ私を捕まえるの!」
「詩織、なぜ私を捕まえるの」
私は毛を逆立てた鶏のような美秋を見つめ、視線を恭弥に移した。私も、恭弥が本当の裏切りを知った時の感情がどんなものか興味があった。