地下帝国のような係留所を後にしたローゼ御一行が次に向かったのは『学園』だった。
エレベーターに乗った三人はそのまま地上へと上がる。
「このエレベーターも魔導結界炉で動いているんですか? たしかイカルガにも同じものがありましたよね?」
六花はきょとんとしながらエレベーターの天井や壁を見る。
「あまりキョロキョロするな、恥ずかしい」
「まあ、良いではないか。異世界人にとっては不思議なことなのじゃ」
サーニャは頭を抱えるが、ローゼは面白そうに答える。
「この『学園』の地下には六つの巨大な魔導結界炉が埋まっておってな、そこから出力ラインを伸ばして学園のあらゆる機器を動かしておる。その内の二つは超古代の物らしくてな。そこから技術を転用して大型の結界炉を作り出したのじゃ。最もこの中立地帯『サンクタム』が出来て間もない頃の話じゃからな。何世代も前の昔の話じゃ」
「へーってことは、この『学園』に漂うマナって普通の所より薄かったりするんですか?」
「察しが良いの」
言ってローゼはサーニャに視線を向ける。どうやら代わりに説明して欲しいようだ。
ここまで格好をつけて間違えたくないのだろう。
サーニャはクスッと笑ってから口を開ける。
「アンタも何となく気付いていると思うけど、魔導結界炉の動力源である『マナ』はどこにでもあるようでそうではないの」
「やっぱり、そうなんだ」
「やっぱり?」
「うん。仮面の集団との訓練であんまり高く飛ぶなって言われてたから。理由は教えてくれなかったけど、何となく察しがついたよ」
「そう。マナは地表から五百メートルの空間『マナの領域』にしか存在しないの。だからジュエルナイトだけじゃなくて飛空艇もそれ以上高く飛べば落下してしまうわ。と言ってもマナの領域にさえ入ればマナを供給できるからすぐに飛べるようになるけどね」
「五百メートルかあ。結構高いんだね」
「そうね。でも油断していると真っ逆さまよ」
ここまで読んで下さりありがとうございます!
今回から有料エピソードになるため、さらに気を引き締めて執筆に励みたいと思います。
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