第一の気取り屋

寧溪――寧王府の若君は、愛する者を救うために誤解を受け、憎まれ、心は壊れ、魂は消えかけた。だが彼女は未来世界連邦の最年少メカマスターとなり、帝国第一軍団の少将として男装の「彼」へと生まれ変わる。
「彼」となった寧溪の第一方針はシンプルだ：クズは殴る！権力者が難癖をつければ殴る、叔父が権力を争えば殴る、敵国が挑発すれば殴る。身体と機体で往復ビンタを叩き込む日々が始まる。
ある国が新型の傀儡戦獣を誇示すると、寧様は一瞥して鼻で笑った。「こんなゴミを出して恥ずかしくないのか！」各国上層部は嘲笑するが、結果は彼らの痛い目見せられたものだった。
周知の事実――寧様が愛するのは「美人」だけ。残念ながらその「美人」は全部、美男子ばかりである。
「美人よ、来たぞ！」と彼が宣言すれば、王座に居るある帝王も顔を曇らせる。「何が来ただ。まずはその腐った花どもを全部切り捨てろ！」