鈴木一郎はビデオがあると言った。
最初、カメラは緊張で揺れていた。彼がためらいながらテントの入り口を開けようとした時、突然背後から声がした。
「何をしている」
鈴木一郎はびっくりして、酔っ払って間違えたと言い訳した。
「今夜お前は一滴も酒を飲んでいない、どこが酔っ払ったんだ」伊藤隆司は容赦なく嘘を暴き、鷹のような目でカメラを見据えた。
「それとも、佐藤舞に何かしようとしていたのか?」
鈴木一郎は心虚になって慌てて立ち去り、二度と近づかなかった。
結局、私のテントの前にいた人は伊藤隆司だった。
ありえない。
彼の足はああなのに、昨夜の男性は確かに…
もしかして、彼の障害は偽物なのか。