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Chapter 5: 5

トヨタ車には多くの物資があり、私たちの差し迫った問題を解決してくれました。

私たちは旅を続けました。

道中、当然ながら数え切れないほどの悲惨な光景を目にしました。

その中には、乱射されて殺され、荒野に遺棄された佐藤拓海の姿もありました!

彼は強盗に遭い、車もお金も食料も全て奪われたようです。

夫婦の縁を思い、沙良は拓海をどこかに埋葬することを提案しました。

しかし母娘は、この男のために一滴の涙も流しませんでした。

おそらく彼が妻と娘を捨てた瞬間から、母娘の心の中では彼はすでに死んでいたのでしょう。

夜、破壊された小さな町で休んでいるとき、思いがけず知り合いに出会いました!

沙良の弟のデキン!

私は以前デキンに何度か会ったことがあります。彼はギャンブル中毒者でした。

賭け事で負けると、沙良のところにお金を求めに来ていました。

沙良もこの弟に対してはとても困り果てていました。

しかし戦火の中で親族に出会うのは、やはり嬉しいことです。

沙良はデキンに私たちと一緒にポーランドへ逃げることを誘いました。

しかしデキンは断りました!

彼には秘密のルートでドイツに直接逃げる友人がいるからだと言います!

ポーランドよりずっと良いと!

そしてより安全だと!

沙良母娘は心を動かされ、デキンについてドイツへ行こうとしました。

実の弟なので、彼女たちを害するはずがないでしょう?

デキンは母娘に対しては優しい態度でしたが、私を見ると顔を曇らせました。「お前たちは俺について来ていいが、この黄色い肌の小僧はダメだ!」

「亮が行かないなら、私も行かない!」

奈津紗はすぐに抗議しました。

「奈津紗、言うことを聞きなさい!おじさんについて行くのよ!」沙良は奈津紗を叱るように見ました。

そしてデキンに言いました。「あなたは奈津紗を連れて行って。私は亮とポーランドへ行くわ。彼を一人でこんな遠い旅をさせるのは心配だから。」

沙良母娘の言葉を聞いて、私の心はとても感動しました。

母娘ともにこれほどの恩義を。

私にはそんな資格があるのでしょうか!

奈津紗は沙良の言葉を聞いて、宝石のような大きな瞳から涙があふれ出しました!

「ママ、あなたって本当に自分勝手!亮を独り占めしたいだけでしょ!」


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