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Chapter 6: 6

6

須藤麗はゆっくりとしゃがみ込み、両手で顔を覆った。肩が止めどなく震えている。

涙は決壊した洪水のように溢れ出し、頬を伝って胸元へと流れ落ち、服の前身頃を大きく濡らしていた。

彼女はようやく気づいた。自分が娘の命を救うはずのお金を、自らの手で奪ってしまったのだと。

日記帳が指の間からすり落ち、彼女はまるですべての力を失ったかのように、その場に崩れ落ちた。

後悔の念が潮のように彼女を飲み込み、心は引き裂かれるような痛みで息もできなかった。

一言一句が有形の鉄槌となって、彼女の魂を打ちのめしていた。

彼女は再び私に電話をかけようとした。

【申し訳ありません。お客様のおかけになった電話は電源が入っておりません】

愛を埋葬した後、私は静かに墓石の傍らに座った。ただ娘のそばにいたかった。

彼女がここで一人寂しく感じないかと心配だった。

愛の墓石には、私の名前も刻んでおいた。

いつか私が死んだら、愛と一緒に埋葬されることを願っている。

どこにいても、父親として永遠に彼女を見守り、これまでと同じように守り続けたい。

日の出から日没まで座り続けた。

冷たい風が吹き抜けてきて、ようやく夜になったことに気がついた。

携帯の電源を入れると、通話履歴に数十件の不在着信があった。

これらはすべて一人の人物からのものだった。私の妻、いや、元妻からだ。

そのとき、麗からまた電話がかかってきた。

電話に出ると、彼女の嗚咽する声が聞こえてきた。

その声を聞いた瞬間、彼女が愛の死を知ったことが分かった。

「河村哲、教えて、愛はどこ?愛はどこにいるの?」

麗の声には哀願の色が混じっていた。

「愛は北城墓地にいる」

私は愛の墓地のことを隠さなかった。離婚したとはいえ、彼女は愛の実の母親だ。娘の行方を知る権利がある。

30分もしないうちに、麗はよろめきながら墓地に現れた。

墓石に貼られた愛の写真を見たとき、彼女は娘の墓前にひざまずき、冷たい石碑を両手でしっかりと掴んだ。まるでそれが娘との唯一の絆であるかのように。

墓石の上で、娘の写真はあの特徴的な笑顔を浮かべたままだった。明るく温かな笑顔は、まるで眠っているだけのようだった。

麗の体は微かに震え、涙が音もなく流れ落ち、墓石に滴り、冷たい風にすぐに乾かされ、ぼんやりとした跡だけが残った。


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