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解放の奴隷商人  ~純愛物を求める俺は、奴隷社会を全否定する 解放の奴隷商人  ~純愛物を求める俺は、奴隷社会を全否定する original

解放の奴隷商人  ~純愛物を求める俺は、奴隷社会を全否定する

Author: nayaminotake

© WebNovel

Chapter 1: 第1話

「よっ、学今日もこんな所で一人読書か?」

誰も来ない穴場である中庭の裏にあるベンチで、ラノベ小説を読みふけている俺の背後から声を掛けて来た金髪イケメン

「隆司(たかし)か・・・ほっとけよ、履修の講義の時間以外で俺が何してようが勝手だろ?」

「つか、今度は何を読んでんだ?」

「あっ、お、おい!」

隆司は俺のてから、小説を取り上げ表紙を見つめる

「なになに?「偶然、奴隷解放したエルフの子とのラブコメが幸せ過ぎる」・・・って、お前またこんなの読んでるのか?」

「い、いいだろ!返せよ!!」

俺は隆司の手からラノベを奪い返し、睨み付ける

「悪かったって、そんなに怒るなよ、てかお前何で昨日の合コン、ドタキャンしたんだよ」

「はぁ?俺行くなんて言ってねぇだろ、お前が勝手に合コンの場所を送って来ただけだろ」

「お前なぁ・・・空想の中での恋愛話より現実の恋愛にも少しは興味持てよ・・・幼馴染として俺は心配だ・・」

「だから俺の勝手だって言ってんだろ・・・お前に俺の恋愛事情を心配される筋合いはねぇよ!」

ヤレヤレと呆れている、目の前の金髪イケメンは俺の小学校からの腐れ縁の幼馴染

名前は、赤坂 隆司(あかさか たかし)俺と同じ横浜にある関東学習院大学の2年だ、小中と同じ学校に通い高校では俺は公立、隆司はサッカー推薦で私立に入ったが、何の因果か大学で再び同級生となったのだ

隆司は見た通りのイケメンで高身長、高校に推薦で入れる程サッカーも上手い・・・その上コミニケーション能力も高く社交的で男女問わず慕われ何時も皆の中心にいる様なカリスマ性もある

大学に入ってもそれは変わらず、既に多くの女性から告白されてる・・・

そんな太陽の様な主人公の脇でひっそりと存在している・・・俺の名前は青木 学(あおき まなぶ)

身長は隆司と同じ位あるが、ボサボサの黒髪に分厚い眼鏡を掛けており運動に関してはからっきしダメ

だったら勉強は隆司より出来るのだろう?と、おもいきや学校のテストで一度として隆司よりいい点数を取った事が無い

「引き立て役」「隆司の腰巾着」「隆司の荷物持ち」今までも・・・いや今でも影でそう呼ばれている

何故陰で言われているかと言うと、隆司の居る所でそんな事を言おう物なら、隆司が鬼神の如く怒りだすからだ・・・

人気者の隆司に嫌われ、目を付けられた日には穏便な学生生活を送る事は出来なくなる

だから、こんな俺も小中学校では虐められたり、嫌がらせらされるなんて事は無く、クラスの陽キャ連中や女の子達とも隆司に連れられ(半ば強引に)一緒に遊んでいた

しかし、別々になった高校で俺は隆司という強力なブランド力を失い、一気にクラスのお荷物と化した

高校の3年間でまともに声を掛けられたのは、

「ねぇ青木君の中学の同級生に聞いたんだけど、青木君って○○高校の赤坂君の親友なんだって?」

「私、この間の練習試合見て、ひとめでファンになったんだよね、お願い!赤坂君を私らに紹介してくれない!」

4、5人の女子生徒に放課後囲まれて、そんな事を頼まれた時だけだ・・・

元々人と話すのが苦手な俺は、その時「俺には無理」と内心でドキドキしなら断り、女の子達の前から逃げ出した・・・

それが不味かったのか、次の日からクラスの連中全員に無視され「おはよう」と挨拶しても誰も返してくれない・・・そんな、クラスのお荷物としての3年間を静かに過ごした

しかし悪い事ばかりでは無い、誰とも交流の無かった俺は、一人での帰り道、ふと立ち寄った本屋で偶然手にしたラノベの恋愛小説に引き込まれ、あっという間にドハマリした

恋愛小説の中に出て来る女の子は、純粋で濁った心を持たない天使の様な女子ばかり・・・時に幼馴染、時にお金持ちの令嬢、時に海外からの留学生、時には異世界の姫、時に異種族の女の子・・・その全てに共通するのは主人公に対する純粋な愛情・・・そして美しくも甘酸っぱい恋愛・・・

反対に現実の女性は純粋や無垢とは無縁、

事実あの時、俺に隆司を紹介して欲しいとお願いした来た女の子達は、その事を拒否した俺を極悪人の様に貶め、有ること無いこと好き勝手に言いふらした

「青木君は私に気があるから、赤坂君を紹介したく無いって言ったんだ」「陰キャの醜い嫉妬」「身の程知らずの根暗眼鏡」

そんな事を陰で言いふらし、女子生徒だけでなく男子生徒からも白い眼で見られる様に・・・

現実の女の子に、幻滅し期待を持てない俺は、ますます小説の中の美しくも眩しいヒロイン達に心を奪われ、増々文学の世界へとのめり込んだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なぁ学、お前は髪型を整えて、眼鏡もコンタクトにするか、レンズの薄いやつに替えるだけで俺よりも遥かにイケメンになるんだから、まず身なりだけでも何とかしないか?」

真剣な顔で、最大限俺を持ち上げる幼馴染み

「良いんだよ、髪の毛は邪魔になったら切るし、眼鏡なんかオシャレで掛けてる訳じゃないんだ、見えれば良いんだよ見えれば」

「・・・まぁ今は良いかもだけど・・お前だって何時かは此処を卒業して社会に出れば、見た目の第一印象が大事になるんだ、だから今の内に・・・」

「解ってるって言ってんだろ!」

「学・・・俺は・・・」

俺の為に注意してくれる、俺の唯一の親友は少し悲しそうに俺の事を見つめ・・・

「おぉ~い、隆司ぃ~さっきの講義で課題のレポート出し忘れただろ?先生が探してたぞぉ~」

中庭の奥から隆司の知り合いらしき、生徒達が隆司に気付き声を掛けて来た

「あぁ!分かったぁぁ!直ぐに先生に提出するぅ~!」

隆司が振り返り返事してる後ろで、幼馴染みに罪悪感を感じた俺は、ゆっくりベンチから立ち上がり講堂の方へと移動した

「あ、お、おい学まだ話が・・・」

背後から隆司が俺を呼び止めていたが、俺は背中越しに手を振りその場を離れた

(そんな事は俺も解ってんだよ・・・隆司・・・でも俺は・・・)

隆司以外の人と殆ど関わらない様に過ごした大学生活・・・

相変わらず隆司からは毎日の様にメッセージが届く

『お前、折角のクリスマスパーティーも断りやがって』

『だから何度もいかねぇって言っただろ』

『たく、それじゃ初詣位は俺と行こうぜ』

『はぁ?お前は女の子から誘われてるんだろ?俺は一緒に行かねぇよ』

『いやいや、お前と二人だ、他の誘いは全部断った』

『いやいや、それこそ意味わかんねぇよ、俺なんかと行くより、女の子達や陽キャの仲間と行けよ』

『お前こそ、訳わかんねぇよ、お前は俺の幼馴染で親友だろ?何で初詣に誘ったらダメなんだよ』

『はぁ・・・まぁ分かった隆司だけなら行くよ』

『おっ、良いね!んじゃ新年明けたらお前のアパートに迎えに行くからな、寝てないで起きてろよ?』

『はいはい、了解』

『んじゃ、学も良いお年を』

『隆司お前もな、良いお年を』

メッセージのやり取りを終え、俺はベッドへスマホを放り投げる

ベッド脇に置いてある目覚ましのデジタルが22時になっていた・・・・

(初詣、込んでるだろうな・・・少し何か腹に入れとくか・・・)

そう思い冷蔵庫を開けるが、ミネラルウォーターのペットボトルしか入ってない・・・流しの下の扉を開けて中を見るがカップラーメンも切らしていた

(はぁ~仕方ない、コンビニに行くか・・・・)

俺はトレーナの上にジャンパーを羽織り、財布を手に、歩いて10分のコンビニへと向かった

(はぁ~寒いなぁ~さすがに雪は降らないが、カップラーメンより先に風呂だな・・・)

大晦日の夜・・・歩道を歩いているのは俺だけ、それどころか車すら通らない

(こんな時間にコンビニに行くような奴は居ないか・・・)

手に息を吐きながら、星が薄っすらと見える空を見上げる

(ついでに隆司と飲む酒も買うか・・・)

道を挟んだ先にあるコンビニの明かりが、冬の冷たい夜にあって、何故か温かそうに見える

(この信号長いんだよな・・・)

寒い中で信号が変わるのを待ってる間も、冬の寒風がどんどん俺の体温を奪う・・・

(・・・この時間に車なんか来ない・・・よな?)

俺は左右を確認し、まだ赤信号の歩道に足を踏み入れる・・・・

さっき確認した時、確かに車は来てなかった・・・そう無かった・・・が、

キィィィィィィィッ!!!

ドォォォン!

耳に残るブレーキ音、自分の身体が押しつぶされる感触がスローモーションの様に感じた・・・

吹き飛ばされ、宙を舞う俺・・・視界は逆さま・・・俺にぶつかったのは4トントラック・・運転席には・・・

(金髪?外国の女の子?・・・・)

宙を舞う俺の姿に驚き口を押えた、金髪の美しい女性の顔が見え・・・・


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