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25% 欲望のレクイエム:シン・シティ / Chapter 1: REQUIEM 1:罪と罰(つみとばつ)
欲望のレクイエム:シン・シティ 欲望のレクイエム:シン・シティ original

欲望のレクイエム:シン・シティ

Auteur: RequiemofLust

© WebNovel

Chapitre 1: REQUIEM 1:罪と罰(つみとばつ)

黄昏の光がヒナタ・ソウルの里に差し込み、歴代の守護長たちの巨大な石像の顔を橙と紫に染め上げていた。その厳かな光景は、この里の守護長デヴィウス・ヴェノマニアにとって、日ごとに重く、圧迫的なものに感じられていた。

里長室の窓から見下ろす光景は、繁栄した村ではなかった。彼の目に映っていたのは、低効率とゆるい道徳観に蝕まれた病んだ有機体である。犯罪報告、失敗した任務、再犯を繰り返す狩人、そして彼が「処刑する権限が無かったせいで」捕らえたまま残されている脅威たち──それらすべてが、混乱を抑えるためだけに作られ、根絶するためには決して働かない欠陥だらけの制度の証だった。

その日のうちに、彼は評議会の老人たち──ヒナタ・ソウルの里を囲む北・南・東・西の四つの里を代表する四人の賢者──によって招集されていた。理由は、最近の行動、そして里を守るために彼が掲げた「新たな哲学」についての審問であった。

彼らこそが最高権力者であり、守護長が独裁者と化さぬように意見を仰ぐべき存在だった。しかしデヴィウスにとって、その仕組みは遅く、苛立たしく、そして「里をより良くする」という使命を妨げる枷でしかなかった。

デヴィウスは評議会の間へ向かった。そこは、四人の老人が高い椅子に腰掛け、中央には審問される者が立つ広間である。

扉に近づいたとき、彼は二人の影を見た──彼の姉妹、悪魔の双子がすでに待っていた。二人は恭しく挨拶し、評議会の扉を開いた。デヴィウスは一人で中へ進み、老人たちの視線の中心に立った。四人の賢者はそれぞれの席で彼を見下ろし、露骨な不満をその目に宿していた。

「解決は単純だ。」

告発者の位置に立ちながらデヴィウスは口を開いた。その声は鋼のように澄み切り、冷たかった。

「これは純粋な論理の問題だ。雑草は刈るものではない。根から引き抜くものだ。犯罪は矯正するものではない。未然に防ぐものだ。そして最も確実な予防とは──犯す者そのものを取り除くことだ。体系的で、徹底的で、完全な粛清。資源を浪費する牢獄も要らない。二度目、三度目の失敗も起きない。ただ……絶対的な秩序だけだ。」

老人の一本が杖を床に叩きつけた。乾いた破裂音が広間に銃声のように響いた。

「守護長殿! それは正義ではない! 大虐殺だ! 我々の里の理念に対する冒涜だ! 代々、我らは赦しを基盤とし、迷った者を導き守ってきたのだ!」

「導く?」

デヴィウスの笑みは細く、微塵も温度を持たなかった。

「その理念が残したのは、孤児の山、痛みの連鎖、そしてこの里に刻まれた絶望の歴史だ。私は新しい道を示している。孤児を生まず、痛みを残さず、選んで罪を犯した者だけの血が流れる未来を。」

彼は己の戦いの記憶を思い返す。

「何年も私はこの里を脅威から守ってきた。多くの仲間が死に、数え切れぬ家族が苦しんだ。そしていまだに第四守護官の牢には脅威が残っている。解放され、再び害を成す者もいる。」

複数の老人が首を振った。

「それは慈悲ではない、六代目よ。悪魔の思想だ。我々は決して賛同しない。評議会は全会一致で反対する。強行するなら──それは暴君の所業だ。」

アメジスト色の瞳でデヴィウスは老人たちを見据えた。その瞳は彼らの理解を超える血筋の証。そこに守るべき知恵は見えなかった。あったのは、現実を拒む老いた遺物。論理という種は、彼らの心という不毛の地には決して根付かない。

「ご意見、よく理解しました。」

彼は穏やかに言った。

「お時間を割かせたこと、謝罪いたします。提案は……より深い検討に回しましょう。」

老人たちはほっと息をつき、礼を残して去っていった。デヴィウスを、もう牢のようにしか感じられない広間に残して。

深い検討など存在しなかった。

あったのは、ただ一つの確信──

彼らが彼を「暴君」と呼ぶなら、次に動くのは間違いなく彼らのほうだ。

彼が守ろうとした秩序そのものにより、彼は敵と認定された。

重い扉を開けると、双子が姿勢を正して待っていた。

「すべて順調です、オニ様。」

姉のキャサリンが言った。赤い肌に軍服風のベージュの制服。馬尾に束ねたエメラルドの髪、縞模様のストッキング、猫のような黄色い瞳。

「予想通り、数時間以内に出発する可能性がある。」

デヴィウスは歩調を速めながら言った。

「カトリーヌ、連絡はどうなっている。」

「はい、オニ様。」

妹のカトリーヌはコバルトの双つ結びを揺らしながら答えた。

「予測通り、残り十二名の守護将軍と警備隊に拘束命令が下されました。」

オフィスに入ると、夜気とは無関係の冷気が漂っていた。

二つの影が静かに待っている。

キャサリンは苛立たしげに爪を鳴らし、カトリーヌは眼鏡のブリッジを冷たい音で押し上げた。

「評議会の報告がすでに出回っています、兄様。」

カトリーヌが言った。

「彼らは兄様を……不安定と噂しています。」

「なんですって?! オニ様を侮辱するなんて!」

キャサリンが怒りを爆ぜさせる。

「静かに。」

デヴィウスの一言は怒号ではなく、悪魔的権威の鞭だった。

「怒る時ではない。動く時だ。彼らは我々を脅威と見做した。今向かっているのは話し合いではなく、制圧だ。ここに留まれば終わる。」

双子は表情を強ばらせた。

「結界、警備線……脱出は困難です。」

カトリーヌが言う。

「不可能ではない。」

デヴィウスは白い外套を脱ぎ捨て、紫の長いコートを羽織った。

「なぜなら我々は三人で逃げる。そして──魂を融合する。武器になれ。いいか、これは殺戮ではない。突破だ。彼らはかつての仲間だ。殺す気はない。」

魂の融合──悪魔族にとって最大級の信頼の証。

双子は短く視線を交わし、決意を固めた。

「御意、オニ様!」

二人の声が一つに重なった。

深紅の光が二人を包み、旋回するエネルギーがデヴィウスの体へ吸い込まれ、すぐに再構成された。金属が鍛えられる音、硝子が震える音。

そこに立っていたのは二丁の異形の銃。

赤と金の攻撃的な銃身(キャサリン)。

黒に銀の精密なライン(カトリーヌ)。

デヴィウスはそれらを構え、姉妹の力が体内を流れるのを感じた。

──秩序の力。絶対の正義。家族の忠誠。

ちょうどその時、屋敷の正面扉が爆ぜた。木片が飛び散り、金属がねじ曲がった。

桃色の着物を着た三人の女性が現れた。

守護見習い──狩人階級の女戦士たち。

その仮面は、狸、狐、アライグマ。

「ヴェノマニア卿! 評議会の命により拘束する! 抵抗は許されない!」

狐面が叫んだ。

デヴィウスは答えず、銃を掲げた。

「秩序砲──非殺傷モード。」

紫の閃光が散る。

ザァッ! ザァッ!

最初に倒れたのは狸面。

次にアライグマ面が壁へ叩きつけられた。

最後の狐面は素早かったが、二撃目に背を撃たれて崩れた。

一滴の血も流れなかった。

デヴィウスは深く息を吸った。

──オゾンの匂い。

──捕縛は完了。

──道は開けた。

かつて守った里を後にし、三人は夜の外へと飛び出した。

その頃、周囲の九つの建物では九人の影が同時に動き出していた。

任務はただ一つ──

元・ヒナタソウル守護長を捕らえよ。

© D.S.V. — 絹をまとう罪、ネオンに血を流す魂

無断転載禁止


L’AVIS DES CRÉATEURS
RequiemofLust RequiemofLust

作者コメント:

この物語は、光と闇、罪と赦しが交差する「歪んだ祈りのレクイエム」です。

もしあなたが、静かな狂気や、深い情念に満ちた世界を求めているなら——

この作品が、あなたの心に長く残る “棘” になりますように。

読んでくださって、本当にありがとうございます。

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