使い捨てキャラの家族に心を読まれた！本物の令嬢が家族から寵愛される

【読心術＋発狂+シュール】
中村南奈は、あるドロドロ小説の悪役令嬢に転生し、さらに「全員嫌悪システム」に縛られてしまった。周りの全員から受ける嫌悪値が100に達すれば、2千億円の賞金と引き換えに元の世界に戻れる。
自滅行為なんて、彼女の数多いスキルのうちの一つに過ぎない。
初期嫌悪値89。南奈は小さな目標を立てた——半年以内に、金満な生活を送ること。
ただ、なぜか周りの全員が彼女の心の声を聞くことができるようになってしまったことは、知る由もなかった。
狂気の社長である長兄に対して言った。「このプロジェクト、とても良さそうね。大きく儲かると思うよ」
内心は『これで大損するんだよな！プロジェクトで外出してる隙に、競合企業に会社の機密を抜かれるんだから』と思った。
冷たい医者の次兄に対して言った。「同僚との食事会、お料理どれも美味しそう」
内心は『次兄が料理を取るたびに私が回転テーブルを回せば、伝染病から逃れられる』と思った。
病的な研究狂の三兄に対して言った。「三兄さん、すごい！こんなに高度な実験ができるなんて。これからも頑張ってください」
内心は『実験、そろそろ爆発するよ。私は優雅に退場する』と思った。
歌手の四兄に対して言った。「これらの曲、全部四兄さんにぴったりね。全部歌えば、大ブレイク間違いなし」
内心は『ふふ、税金逃れがバレて大炎上するのを楽しみにしてるよ』と思った。
恋愛脳の五兄に対して言った。「彼女、忙しい中、わざわざ時間を割いて一時間も付き合ってくれるなんて、五兄さんのこと愛してる証拠よ！」
内心は『もうとっくに何股されてるよ、あなたの女神さんは朝昼晩と別々の男性とデートしてるんだから、驚いた？』と思った。
男主人公が彼女を見る眼差しが次第に深くなった。「俺たち、付き合おう」
南奈は顔を手で覆って泣いた。「お姉さんを誤解させるような真似はやめてください。私なんかが、ふさわしいわけない！」
内心は『金を稼ぐのは辛い、でも嫌なことするのはもっと辛い、悪役令嬢だって、生きる権利はあるんだから！』と思った。
しかし……
なぜ最終的には、周りの全員から溺愛されるようになってしまったんだろう？