嫁がまさかの教皇陛下！？

魔王としての下克上の悲劇から逃れたあと、リン・ウェイはすべてを捨て、人間界で静かに暮らすことだけを望んでいた。

結婚して領地を買い、田舎の小貴族として、教廷に仕える美しい妻と穏やかな日々を過ごす——それで十分だった。

ところが、なぜか勇者一行が頻繁に家の前をうろつき、毎回不穏な気配を残していく。高慢な審判騎士は毎日のように長槍を掲げ、「教廷に加わる気はないか」と誘ってくる。

さらに、ツンデレの皇女はしつこく接近してくるし、新たに即位した魔王は自分を探し回っている。挙げ句の果てには、異端の女神までもが縁談を持ちかけてきた。

そんなある日、ウェイは聖都に潜入し、教皇の玉座に座る人物を目にして凍りつく。
冷ややかな表情で群衆を見下ろすその端正な顔立ち——見間違えるはずがなかった。

毎晩隣で寝ている妻が、まさか教皇様だったなんて……。

……どうすればいい？誰か、至急アドバイスをくれ。