星が降る夜、全てを生まれ変わる

あの夜、空から無数の星が降り、世界は終末へ転がり始めた。
　
　かつて、栄娴仙は誰よりも夫を信じていた。必ずすべてを乗り越え、自分と幼い子どもたちのもとへ帰ってきてくれる。
しかし、家に蓄えていた食料と水が尽きた頃、巨大な鳥が窓を破って侵入し、わずかな安息も奪われる。命の危険を感じ、栄娴仙は子どもたちを連れて北を目指すが、やっと辿り着いた夫の“安全地帯”で見たのは、彼の親信に付き添う“婚約者”と名乗る女性。二人は栄娴仙の休む場所を焼き、すべてを焼き尽くしてしまった。
――そして気付けば、栄娴仙は世界が崩壊する前夜へと巻き戻っていた。

二度目の星墜の夜。今度こそ、もう同じ過ちを繰り返さない。

　夫の帰還など待たない。
　自分が、この手で子どもたちを守り抜きたい。