概要
清風そよぎ、鐘の音が響く。
前世では霊獣と契りを結び、水蛇の棲み処が私の第一選択だった。
当時は彼がただの見栄えのしない長虫だと思っていたが、誰が彼に応竜の血脈があるとは知らなかった!
私は日々彼に修行を促し、自らを修行に役立つ仙草に変え、妖族の異人となることも厭わなかった。
私が完全に妖に異化した日、彼は一気に血脈の禁錮を突破し、頭上の龍門を砕いて昇天し、天地間に残された唯一の応竜となった。
龍気が横なぎ、山河を呑み込む勢い。
宗門の大陣はたちまち粉々になった。
彼は九天に龍となって昇り、黒い皮を全て脱ぎ捨て、体には波光きらめく白い鱗。
龍頭の上には、青衣の少女の衣装がはためいていた。
それは私の師姉であり、彼の一生の挚愛の道侶でもあった。
今、再び選択する時、私は傍らの白鹿を引き寄せた。
水蛇の棲み処は焦って尾を振り回した:「俺は応竜だぞ、天地竜王だ、なぜお前はあの畜生を選んだんだ?」
タグ
あなたも好きかも
ひとこと感想、書いてみよう!
レビューを書く