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บท 5: 第5章

月曜日の出勤、私の気分は妙にいい。

同僚たちはみな私の変化を感じ取り、何か嬉しいことでもあったのかと尋ねてきた。

私は微笑むだけで、説明はしなかった。

松井浩明は何か心配事があるようで、時々こっそり私を見ていた。

おそらく篠原晴香がすでに離婚の件を彼に話したのだろう。

午前10時、浩明が私の机に近づいてきた。

「剛、ちょっと外で話さないか?」

「勤務中だ。用があるならここで言ってくれ」

私は顔を上げなかった。

「それは...ちょっと都合が悪いんだ」

彼は周囲の同僚を見回した。

「なら話すことはない」

私はキーボードを打ち続けた。

「剛!」

彼は焦り、声が大きくなった。

オフィス中の人が振り向いた。

「どうした、松井浩明?」

私は顔を上げ、無邪気な表情で言った。

「何か用か?」

彼は何か言いたげだったが、多くの視線を感じて言葉を飲み込んだ。

「い...いや、なんでもない」

「じゃあ仕事に戻れ」

私は再び頭を下げた。

「そうだ、前に頼んでおいたプロジェクト報告書、明日までだぞ」

「準備はどうだ?」

浩明の顔が一瞬で青ざめた。

彼はここ数日、晴香のことで頭がいっぱいで、仕事どころではなかったのだ。

報告書の資料は一文字も準備していない。

「俺...まだまとめているところで...」

「そうか、じゃあ急いでくれ」

私は時計を見た。

「あと24時間ある、間に合うはずだ」

浩明は歯を食いしばって自分の席に戻った。

彼が私を恨んでいるのはわかったが、爆発する勇気はない。

会社では、私が彼の直属の上司だ。

それに彼は後ろめたさがあり、事を大きくする勇気がないのだ。

昼食時、浩明がまた近づいてきた。

「剛、頼む、どこかで話をさせてくれ」

彼の声には懇願の色が混じっていた。

私は彼を見て、うなずいた。

「いいだろう、会議室へ行こう」

会議室には私たち二人だけ。

浩明はドアを閉め、振り向いて私を見た。

「剛、晴香から全部聞いたよ」

「何を聞いた?」

「離婚のこと」

彼は深く息を吸った。

「お前が俺を恨んでるのはわかる。でも頼むから晴香を苦しめないでくれ」

「彼女は罪がない、全部俺が悪いんだ」

私は笑いそうになった。

今になって晴香を守ろうとするのか?


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