【姓名:江崎徹】
【職業:剣客】
【等級:5】
【経験値:200/3200】
【体質:13】
【力量:10】
【精神:14】
【敏捷性:5】
【装備:無】
【空間:5】
【スキル:
基本剣術:全身の內力を集中し、前方へ一筋の剣の光を放ち、敵を攻撃する。攻撃距離40メートル、力の集中に0.3秒、消費MP:1ポイント。
基本步法:短時間、自身の敏捷性を高め、敵の攻撃を回避する。持続時間500秒、消費MP:1ポイント。
剣気・縱橫:百の剣気を集中し、周囲に展開して敵を自動攻撃する。持続時間100分、攻撃頻度0.1秒、消費MP:2ポイント
パッシブスキル・瞑想:0.1秒間じっとして動かないでいると、徐々に精神力を回復する。回復量:1ポイント。】
レベル3には800が必要
レベル4には1600が必要
レベル5には3200が必要。
この恐ろしい数値は何倍にも増えていた!
レベル10までは初心者の期間で、この期間は死亡しやすい。レベル10に達すると、セットの装備を身につけられるようになる。
7日以内に早くレベルを上げ、高等学院に入る資格を得なければならない。その資格はレベル10を突破してこそ得られる。
レベル10はあくまで資格に過ぎない。
一般人が7日以内にレベル10に到達するのは容易ではない。教師と一緒に魔物を倒してレベルを上げ、指導を受けても、徹は知っていた、レベル10への到達は難しいことを。
それには家族の後ろ盾も必要だ。
訓練初日で既にレベル5に達している。まだ2刻限ほどしか経っていないのに。レベル10は徹にとって簡単なことだった。
徹は獲物を探し続け、倒し続けた。
午後いっぱい魔物を倒してレベル上げを続けた。
空が徐々に暗くなってきた。
徹はタテンス丘陵の町へ向かった。明日また魔物を狩るつもりだ。夜に出て魔物を狩るのは非常に危険だった。
道中、徹はいくつかの新入生の集団に出会ったが、いずれも強者が守っていた。
「今日はなかなかよかった。レベル4に到達した。初心者の期間を乗り越えるのは簡単で、そんなに難しくなかったよ」
「レベルが上がるごとに必要な経験値は倍になる。レベル4からレベル5に上がるには1600ポイントの経験値が必要だ。この数値は恐ろしい」
「明日はレベル6に上がれるように頑張ろう」
隣の勇者が笑って言った。「君たちはまだ1600ポイントの経験値だけど、レベル10を超え、初心者期間を終えてレベル20を超えると、それは数万の経験値になる。それこそが恐ろしいんだよ!」
徹はこれらの言葉を聞いた。
自分を見てみると、今はまだレベル8で、6400ポイントの経験値が必要でレベル9になれる。明日にはレベル10に達することを願った。
ホテルのロビーで。
「部屋を一つ」
「いらっしゃいませ勇者様、1000元になります」
徹:「300元だったはずですが?」
「申し訳ありません勇者様、料金が上がりました」
悪しき資本主義め。
徹は仕方なく携帯を取り出して支払った。外で寝るわけにもいかない。翌日の調子が悪くなれば、経験値の獲得にも影響する。
「あら、坊や、まだいたのね!」
徹が振り向くと、昼間の有美さんだった。昼間にわざわざ徹を誘ったが、徹は断っていた。
レベル差が5あると経験値が全く得られないのだ。
数人が徹を見ていた。
「すごいじゃない、まだ生きているなんて」
「ずっとここにいて、外に出て魔物を倒してなかったんじゃないの?」
「イケメン君、私たちの隊長があなたに目をつけたわよ。今夜時間ある?隊長があなたと人生について語り合いたいって」
稲垣静香が振り返って怒った。「あなたたち、さっさと消えなさい!」
数人は大笑いして去っていった。
静香はとても腹を立てていた。
こいつらときたら、でたらめを言ってばかり。
静香が右手を差し出して笑った。「こんにちは、私は稲垣静香よ」
「江崎徹です」
「徹くん、いい名前ね。今何レベル?」
「8レベルです」
静香は頷いた。「8レベル、何?8レベル?今8レベルなの?」
静香は驚愕した。
この少年はどうやってレベルを上げたのだろう。たった1日で8レベルまで達したとは。
静香も初日は6レベルまでしか上がらなかった。それも強者の保護の下でのことだった。
平均的には、一日でレベル4に達するのが限界だ。
一日でレベル8に達するなんて、どうして可能なのか?
しかも彼はD級の剣客だったはず。
静香は内心で笑った。この少年が単身でここに来る勇気があったのも納得だ。剣客じゃなくて、恐らくSS級の隠し職業の持ち主なのだろう。
SS級の隠し職業を持つ者だけが、こんなに速くレベルアップできるのだ。
静香は笑った。「あなた、剣客じゃないでしょう?剣客がこんなに速くレベルアップするわけないわ。教えて、あなたの本当の職業は?安心して、私は誰にも言わないわ」
「本当に剣客です」
「誰を騙してるの?徽章を開いて見せてくれない限り信じられないわ」
徹は話題を変えた。「あなたは何の職業ですか?」
静香は徹を見て、神秘的に微笑んだ。「坊や、警戒心が強いのね」
徹は顔を赤らめた。
徽章を開けば、他人に自分の職業を見せることになる。しかし徹は徽章を開いて見せるつもりはなかった。
D級剣客がレベル8に達したなんて、誰も信じないだろう!
静香は怒るどころか言った。「用心深いのはいいことよ。私たちは外の魔物だけでなく、周囲の敵にも注意を払わなければならない。その点、あなたはよくやっている」
「一緒に魔物を倒すチームでも、装備が1、2個落ちただけで、友達が友達でなくなることもあるわ」
徹は頷いた。これは知っていた。
かつてのゲーム好きとして、価値のある装備が出ると、しばしば血で血を洗う争いになった。かつてはゲームの中での出来事だったが、今やゲームは現実になっていた。
静香が尋ねた。「今夜予定ある?」
予定?
本当に人生について語り合いたいというのか?
これは…
まずはコーヒーでも飲んで、映画でも見て、それともただおしゃべりでもいいのだろうか?
静香は徹が俯いているのを見て、呆れた様子で言った。「何を考えてるの?私があなたを連れ出して街を案内するだけよ。周りには良いものがあるわ。特に新人のあなたにとっては、初心者用装備を1、2個買うことで強くなれるわ」
「今夜は大丈夫です」
「いいわ、夜8時にここで会いましょう。案内してあげる」
「ありがとうございます」
「そんなに堅苦しくしないで。あなたは私の姪っ子と同じ、初心者卒業したばかりね。でも彼女はここでは修行していないわ」
部屋の中。
徹は急いで食事を済ませ、ホテルのロビーで静香に会った。
徹は尋ねた。「あなたの仲間は?」
「彼らは酒場に飲みに行ったわ。勇者にとって、明日が生きているかどうかもわからない。生きるか死ぬかもわからないから、今を思いっきり楽しむのよ」
静香はそう言うと、顔に少し寂しげな表情を浮かべた。
勇者とは職業者のことで、生と死の境界線を行き来しながら強くなっていく。
二人は大通りを歩いた。
静香は相変わらず弓を背負い、白い服を着ていた。
徹は静香をよく観察し、初めて彼女の耳がとがっていることや、高い鼻、淡い青色の目に気づいた。
徹が尋ねた。「あなたはエルフの弓使いですか?」
「よく見ているわね。そうよ、私はエルフの弓使いよ」
「もう一次転職を?」
「ええ」
職業者はレベル50に達すると一次転職が可能になる。一次転職を経た勇者だけがさらにレベルアップを続けられる。
一次転職は完全な職業化を意味していた。