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妻の誕生日当日、私はケーキを買い、プレゼントを用意して、妻の帰りを待っていた。サプライズを用意したかったのだ。
しかし、妻はなかなか帰ってこなかった。
深夜十二時を過ぎてようやく、弟に支えられて酔っ払った妻が帰宅した。
「義兄さん、姉の誕生日で同級生と集まって、楽しくなりすぎて飲みすぎちゃったんです。姉さんをよろしくお願いします」
「どうしてこんなに飲むんだ!お前も姉さんを止めろよ」
妻はすでに泥酔して意識がもうろうとしており、立つこともままならない状態で、私は心配せずにはいられなかった。
弟はニヤニヤ笑いながら、嬉しそうに言った。「姉さんの誕生日だから、すごく盛り上がって、姉さんの楽しみを邪魔するわけにもいかなくて。でも今日は姉さんがおごると言ったけど、会計は僕が払ったんで、義兄さん、ちょっと経費精算してもらえませんか?」
こんな厚かましい奴は見たことがなかった。自分の姉の誕生日なのに、一銭も出す気がないなんて。
これまでの何年間で、義兄として渡辺明彦にいくら使ったか分からないほどだ。
結婚前から、明彦の大学の学費を4年間払い、その後結婚する時には妻の実家に二十萬の結納金を渡した。
その後、妻の弟が結婚する時の新居の頭金も私が出し、それに彼の両親の貯金を合わせて、明彦の家は私の家よりも大きく豪華なものになった。
その後、彼の息子が生まれて一ヶ月の祝いには、妻に強制されて十万円のお祝い金を包み、さらに日常のあれこれで、妻は毎月決まった額を弟に送金している。
明彦は月に五千円の仕事をしているだけなのに、私よりも贅沢な暮らしをしている。
しかも明彦は私より後に結婚したのに、私にはまだ子供がいないのに、明彦の息子はもう生後一ヶ月を迎えている。
一つには妻が子供を作るのを先延ばしにして、二人の世界を楽しみたいと言い、二つには、この数年間、私が少し貯金すると妻が明彦に送ってしまい、私自身の生活はカツカツで、子供を育てる余裕などどこにもない。
今回も一食の食事代のために、この厚かましい義弟は私にお金を要求してきた。
私は妻がこんな吸血鬼のような弟を持っていることを心配せずにはいられなかったが、それでも彼にお金を振り込んだ。そうしないと、彼は翌日また妻にお金を要求するだろうから。
「聞けよ、いつも遊び呆けてないで、ちゃんと仕事しろよ。お前はもう子供がいるんだ、父親なんだぞ!」
「はいはい分かってますよ、ありがとう義兄さん。もう遅いんで、僕は帰りますね」
明彦は私の忠告など全く耳に入れていなかった。こういった説教じみた話は彼にとっては聞き飽きたもので、お金を手に入れるとそそくさと立ち去った。
私はこの義弟が、もしお金を要求するためでなければ、酔っ払った妻を家まで送り届けることもなかったのではないかと疑っていた。
泥酔した妻を見て、私は彼女を寝室に連れて行って休ませるしかなかった。心が痛んだ。彼女の誕生日なのに、外で同級生と過ごし、夫である私には何も告げなかったのだ。
私はバカみたいに家でサプライズを用意していたというのに。
妻をベッドに寝かせ、上着を脱がせると、妻の服装が乱れていて、体が汚れてべたついていることに気づき、眉をひそめた。さらに彼女の靴を脱がせると、黒いストッキングがボロボロに破れていて、誰かに引き裂かれたようだった。
もしこの上着がなければ、妻が誰かに乱暴されたのではないかと疑うところだった。彼女たちの集まりはそんなに激しいものだったのだろうか?
「ほら!飲め!もっと飲め!まだ飲めるわ!負けたら服を一枚脱ぐって決めたでしょ!誰も逃げちゃダメよ!」
「いいわよ!脱げばいいのね!でも夫には言わないでよ!」
「あなたの番よ!早く飲みなさいよ!」
妻はうわごとのように酒の席での会話を口にし、まださっきの集まりの余韻に浸っているようだった。私は少し不安になった。妻の誕生日会がそんなに大胆なものだったのか?服まで脱ぐなんて?